2014年の7月、ラトビアで行なわれた写真ワークショップ「ISSP 2014」に参加した。滞在した場所は、首都リガから2時間ほど離れた小さな町、クールディガのそのまた先のペリシという小さな集落。1週間、古い屋敷の中に現像ルーム、プリントワークショップ、講義室を作り、泊まり込みで写真家のクラスに入り、製作するというス大掛かりなワークショップだった。ヨーロッパを中心に20~30代の若い写真家たちが集まっていた。僕はアメリカ人の写真家 Mark Steunmets のクラスを取っていた。華奢な体つきをした、優しい眼のゲイのおじいさん、という印象で、テクニカルな知識というより、それぞれの参加者の写真を見ながら、映っている被写体の表情、空間と身体の位置のバランス等を評していくというのんびりとしたスタイルだった。僕は、もっと実践的なクラスが良かったので、Saimon Norfolk のクラスの、その地域について徹底的にリサーチしつつ、朝4時に車で森の中に撮影に皆で行くっというようなマッチョな講座を横目でうらやましいなと思いつつ、カメラを片手にあても無く村の周りをとぼとぼ歩いて回っていたのだった。